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[研究紹介]自信が高い決断を下すと瞳孔が広がる(動物実験)

posted 2018/10/24

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その決定には自信があるか?
人は日々色々な物事を決めて生きている。こと業務においては、一つのYES/NOが会社全体を揺るがす大きな意思決定になりうる。われわれはこの意思決定のために様々な根拠を考えては集め、どこかのタイミングで「これだ」と行く先を決める。この決断は自信を持って下したいものだし、逆に相手の決定も、強い自信とともに行ってもらったほうが安心できることが多いだろう。
こうした根拠の溜め込みや意思決定というテーマは、神経科学や認知・臨床心理学の分野で様々なモデルを立てて検討されている(e.g. T. U. Hauser et al., 2017, Sci. Rep.)。だが実際に自信の有無と関わる生理的な反応が何で、身体にはどんな兆候が見えるのか、といったことは、意外と決定的な研究がなかった。今回紹介するのは、マカクザルを用いて自信の程度に関わる身体の反応を実際に調べた研究だ。

瞳孔の大きさが自信の高さを表している
自信の研究は動物実験・ヒト対象実験ともに盛んだが、今回紹介する実験はマカクザルを用いた研究だ。マカクザルらが行った実験は非常に単純だ。まず彼らは、画面に短時間表示される一つの図形を覚える。その後しばらくして二つ図形が出てくるので、覚えた図形は二つのうちどちらだったかを、目線を移動させて答える。正解すると、失敗時より多くの報酬(彼らにとってはジュースが代えがたい報酬だ)がもらえるため、彼らは懸命に正解しようと努力するわけだ。
マカクザルの自信としては、行動指標(正答率やかかった時間)から、どれだけ迷わず選べたかを算出した値を用いられた。結果、自信をもって答えた試行ほど、瞳孔の大きさが広がっていることがわかった。

目は口ほどに自信を示す
今回の結果はあくまで人間の近縁種のものに過ぎないが、人間でも似た生理機構が存在する可能性は高い。しかし、相手の自信のほどを知るために顔を覗き込むのはやめたほうが良い。なにしろびっくりして瞳孔の大きさが変わってしまうかもしれないからだ。したがって当面、この結果は動物実験時に彼らの自信を「聞く」手段として活用されるだろう。
だが、知らず人間の視線を計測する手法は色々ある。ラップトップやスマートフォンのインナーカメラから自信を計測したり、それを元に応援してくれるアプリケーションの開発など、いろいろと夢が広がる研究だといえよう。

Reference
Differentiating between Models of Perceptual Decision Making Using Pupil Size Inferred Confidence. Katsuhisa Kawaguchi, Stephane Clery, Paria Pourriahi, Lenka Seillier, Ralf M. Haefner and Hendrikje Nienborg., 2018,  J Neurosci.
DOI: https://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.0735-18.2018

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