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[研究紹介]α波を増やすと学習効率が上がる?

posted 2019/01/25

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学習効率を高める方法はあるか?

直接「勉強ができるようになる」ことにつながるわけではないが、脳波を使って皮膚への触覚の知覚学習の効率を高めた研究を紹介する。
その前に、ニューロフィードバックについて簡単に紹介する。

自らの努力で脳活動を変えるニューロフィードバックとは

ニューロフィードバックとは、脳の活動を本人の努力で変える方法の一つである。
脳活動を計測し、計測した結果を本人に映像や音などでリアルタイムにフィードバックする。例えば、α波が多いほど、映像の色が濃くなる、音が大きくなるなどである。
本人は、フィードバックされた映像や音を手かがりとして、たとえば色をより濃くしようと努力する。色が濃くなれば、α波が増えたということなので、結果としてα波を増やす脳トレーニングをすることになる。

体性感覚野におけるα波をニューロフィードバックで増強・抑制した

Nature Communicationsに掲載されたSomatosensory alpha oscillations gate perceptual learning efficiency, volume 10, Article number: 263 (2019)では、下記の実験を行った。

被験者は次のトレーニングに参加した。

  • トレーニングは1回あたり30分で、2日連続で行った。
  • トレーニングでは、被験者のCP1の位置で脳波を計測し、α波のスペクトラム密度を計測する。計測したスペクトラム密度に応じて、被験者が見ているコンピュータ画面の色が白〜濃いオレンジの範囲でリアルタイムに変化する。
  • 被験者はα波を増やすグループと減らすグループにランダムに割り当てられ、α波を増やすグループではα波が多いほど画面がオレンジに、α波をへらすグループではα波が少ないほど画面がオレンジになる。
  • 被験者は、画面の色が濃いオレンジ色になるように試行錯誤するよう指示される。

トレーニングの結果、実験初日と比較し、実験2日目において、α波を増やすグループ、減らすグループともに、α波を増やす・減らすことができた。

α波の増加・抑制により知覚学習にどのような影響が見られたか

ニューロフィードバックにより学習効率が変化するかどうか、2つの金属針の先端を指の腹に押し当て、どのくらい2つの針が離れたら2つの針があると認識できるかを検証した。
体性感覚野のα波を増やしたグループでは、50%正答率が1.65mmから1.3mmになった。つまり、最初は1.65mm離さなければ「2つある」と判定できなかったが、α波を増やした後では1.3mm離せば判定できるようになった。
α波を減らしたグループでは、50%正答率は最初は1.49mmだったが、α波を減らした後は1.53mmに悪化したが、これは有意な差ではなかった。

α波の増加で学習効率を高められる可能性

この研究では、ニューロフィードバックを用いてα波を強めたり弱めたりすることができることを示し、それが触覚知覚学習に影響を与えることを示した。
この研究を参考にして、特定部位のα波を増やすことで、その部位が担っている機能の学習効率を高めることができるかもしれない。

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