2017年からの4年間の推移を見ると、BrainTechの出展数は増えてきています。

2020年は少し落ち着いたように見受けられますが、50社程度が出展していました。 分野として多いのは睡眠の計測・改善やストレスの計測・改善です。使っている手法は様々で、脳波を計測するもの、末梢神経系を計測したり働きかけるもの、トレーニングを行うことで睡眠やストレスを改善するもの、VRを用いたもの、音を聞かせるものなど多様でした。

これまでにない全く新しいブレイン・マシン・インターフェイスも展示・デモが体験でき、人だかりができていました。他にも、中国からブレイン・マシン・インターフェイスを開発、既に製品・サービスを提供している企業も出てきています。

脳で機械を操作するというのは、現状では身体に障害がある人向けの医療機器の側面が強いです。しかし、今後例えばVRで仮想空間やゲームを遊んだりするときに、両手が使えなくなりますから、脳で直接操作できるようになるのは妥当と考えられます。

従来の60分の1の消費電力で動作する高バンド幅のブレイン・マシン・インターフェースをParadomicsが発表

(画像:Paradromics)

Paradromicsは、数万チャネル(100万チャネルが目標)の神経接続をし、超高速で神経信号を読み出し・書き込みできる電極と回路を開発している。

今回、パートナーのCaelesteとの共同開発により、従来のデジタル読み出しの60分の1の消費電力で、従来より2桁高いバンド幅の神経信号を計測する技術を発表した。新しい小型で低消費電力のセンサーは、記録電極と接続して、体内における熱の放散を低減する。更に、タイル状に並べることで1平方cmあたり最大10,000チャンネルの密度で計測できる。

高度なブレイン・マシン・インターフェースには、高い信号伝送幅が望ましいが、バンド幅を高めると消費電力が上がり、熱を持ってしまう。脳を損傷させないために、埋め込みデバイスが熱を持たないようにすることが重要で、今回の開発は重要なマイルストーンであるとParadromicsは発表している。

ParadromicsとCaelesteのデータサイエンティストとエンジニアは、オンチップデータプロセッサを設計し、神経信号すべてではなく、重要な情報のみをデジタル化して読み出すことにより、脳からの入力信号を圧縮する手法を開発した。これにより、超並列に神経信号をリアルタイムで記録しながら、消費電力を著しく低下させることに成功している。

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