経頭蓋電気刺激は、ワーキングメモリの改善などに有効な可能性のある技術で、近年盛んに研究されている。

脳の特定の場所に狙って電流を流すためには、頭皮上のどの場所に電極を配置し、どの程度の電流を流すべきか、予めシミュレーションしておく必要がある。そのためのソフトウェアは既に存在するが、「一般的な」脳や頭の形を仮定して計算することが多い。

NEUROPHETのソフトウェアは、前提として被験者・患者のMRI構造データを撮り、個々人の脳や頭の形を元にしてシミュレーションを行うのが前提である。そのため、個人ごとの正確なシミュレーションを行うことができ、電気刺激の精度が向上する。

2019年12月、$5.1M(約5.6億円)を調達した。

浙江大学医学院が、脳神経科学の専門学部「脳科学と脳医学」学部を設立

浙江大学は、中国に31ある副部級大学の一つで、清華大学、北京大学などと並び中国のトップ大学である。
浙江大学では、脳と人工知能や、ブレイン・マシン・インターフェイスなどの先端研究がなされている。

2019年12月末に、医学院(医学部に相当)に「脳科学と脳医学」学部が正式に設立された。

脳科学研究は、中国に限らず、アメリカ、欧州、日本など世界各国の戦略的研究領域であり、中国も、将来を見据えて戦略的に脳神経科学研究に投資をしてきている。今回の新しい学部の設立は、この流れを加速するものである。

「脳科学と脳医学」学部には生物学(神経生物学)と臨床医学(神経精神医学)の2つの専攻が用意され、教育、研究、臨床研究を統合した中国国内初の新しい学問分野として、世界トップクラスの人材の獲得と育成をしていくとしている。